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Scan-Speak Discoveryシリーズで自作2wayスピーカー - 過去記事一覧
- ユニットの選定
- ウーファーのT/Sパラメータ測定
- エンクロージャーの特性シミュレーション
- エンクロージャーサイズの決定
- エンクロージャーの詳細設計
- エンクロージャーの組立て
- Far Field測定とクロスオーバー周波数の検討
- Near Field測定
- 特性改善のためのエンクロージャー修正
- Far Field測定とNear Field測定をやり直し
- クロスオーバーネットワークの設計と製作
- エンクロージャーの塗装と組み込み
- 仕上げのNear Field測定と吸音材・ポートの調整
- ネットワーク組み込み後のFar Field測定
- クロスオーバーネットワークとバスレスポートの改良
Scan-Speak Discoveryシリーズを使った自作2wayスピーカーも残すは最終測定のみとなりました。
この記事では測定結果と音の感想を書きます。またスピーカーの脚を作成したので紹介します。
測定結果
ネットワークを組み込んだ状態でFar Field測定を行い、Near Field測定の結果とディフラクションのシミュレーション結果をマージして最終測定結果とします。
Listening windowでの結果(図中 SPL緑線)では50Hz〜22kHzの間で±2dB以内におおむね収まっています。
軸上(図中 SPL赤線)だと12kHzより上の帯域で大きな上昇が見られます。
前回の測定で存在していた1.8kHz付近のディップや3〜6kHz付近、70Hz〜100Hzあたりの落ち込みは、ネットワークやポート調整の結果、少し改善されたようです。
7kHz, 12kHz付近に落ち込みがありますが、これはツィーターのD2608/913000の特性のようで、HiFiCompassの測定にも同様のディップが存在しています。
前回の測定では大きくはなかったReverse Nullですが、今回のネットワーク回路でははっきりと出ました。
推定Preference Ratingは6.15となり当初の目標としていた6.0超えを達成です。
SMは低下したもののLFXとNBDの改善が効いているようで、前回の5.98を上回りました。
2022/08/14 追記
このスピーカーはデスクトップで聴くことを想定しており、軸上というよりは振った形で聴くことを想定していました。
ドライバーにRを設定するとそういう状態を再現できるとのことで、15°を設定してみたのが以下の特性です。
12kHz以降のピークがだいぶ抑えられていることがわかります。
またPreference Ratingについても定数を(9)式と揃えたカスタム式を使った方が良いというアドバイスを受けましたので、その値も記載します。
スコアはだいぶ良くなって6.75となりました。
音の感想
音のバランスが良く、低音から高音まで満遍なく出ています。
音色は明るく、キンキンまではいかないがキラキラした感じはあり、金属楽器の音には美しさを感じました。
低音のアタック感は強くないため、どちらかというと優しい音になっています。
総じて見ると以前に製作したどのスピーカーよりもワイドレンジで満足できる作品となりました。
スピーカーの脚の製作
エンクロージャーを机に直置きだとあまり高級感がないので、脚を製作します。Fusion 360で設計してmeviyに発注しました。
Jantzen Audio スパイク Harma-4をねじ込んで完成させる設計にしてあります。
meviyからアルミ製で黒アルマイト加工された脚が届きました。スパイクを挿します。
スピーカー本体にねじ止めして完成です。
最終的な構成のまとめ
- スピーカーユニット
- ウーファー: Scan-Speak Discovery 15W/8434G00
- ツィーター: Scan-Speak Discovery D2608/913000
- エンクロージャー
- バスレフ型
- 容積: 8.5リットル
- ポート径:28mm 長さ: 40mm
- ポートチューニング周波数: 58Hz
- バスレフ型
- クロスオーバー周波数: 3kHz (LR4)