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Scan-Speak Discoveryシリーズで自作2wayスピーカー - 過去記事一覧
- ユニットの選定
- ウーファーのT/Sパラメータ測定
- エンクロージャーの特性シミュレーション
- エンクロージャーサイズの決定
前回の記事で大まかなエンクロージャーの大きさを決定しました。
ただその設計では高さの制限をオーバーしてしまっていたので、その点を改善した設計を検討し直します。
定在波とディフラクションをシミュレーション
前回の記事のミニチュアなトールボーイ型をベースに高さを420mmに抑えた設計を行いました。
板厚が18mm(バッフル板のみ20.5mm)で幅210mm, 奥行195mmです。
この寸法での定在波のシミュレーションは以下です。
1kHz付近に定在波がかたまっているもののピークの周波数はズレているので、吸音材で対処できないものかと考えています。
もし対処できなそうであれば、他の手段を検討しましょう。
前回の記事で横幅を大きめにとった方がディフラクションの特性がなだらかになることがわかりました。
そのため今回も横幅を大きめにとり、前回の記事と比較してバッフルの丸めも大きくして、よりなだらかな特性になるようにしています。
エンクロージャーを設計
最終的なエンクロージャーの形状は以下のようになりました。
前回の記事でつけていたスタンドはデザインを検討中なので、いったん取り外しています。
バッフル板はユニットの落とし込みを行うために15mm厚と5.5mm厚の板を重ねています。
エッジディフラクション対策として左右は15mmの丸めを行なっています。上下も3mmの丸めをしていますが、これは気休め程度かなと思います。ツィーターの位置の関係で大きな丸めにできませんでした。
左右の丸めを大きめに行うためにバッフル板を側板で挟み込む構造にしています。バッフルが2枚重ねの構造なので、こういう構造にせざるを得ません。これはデザイン上でも横幅を狭く見せるためのトリックにはなっています。
内部構造はこのようになっており、日の字型の補強板が1枚入っています。下半分の補強が若干弱そうなので、追加で何か補強を入れるかもしれません。
底板を取り外せる構造にしており、そこからネットワークの調整を行う予定です。また底板にはスパイクや台座の取り付け穴を開けています。
おわりに
板材の発注も完了し、この設計で問題ないのかドキドキしながら、到着を待っています。
届いたら組み上がりに問題がないかを確認し、問題がなければ組み上げていこうと思います。
このスピーカーのエンクロージャーの作図はFusion360で行いました。操作方法もだいぶ慣れてきて勉強になったので、他の工作にも応用できそうです。
次回の記事
次回は届いた板材を使ってエンクロージャーを実際に組み立てていきます。