工作とかプログラミングとか

作った物について書きます

WM8741を使ったDAC+電流帰還パワーアンプを製作

きっかけ

PCM1795搭載のDACキットDAC1795-1.5を改造 - 工作とかプログラミングとかで電源周りを強化したところ、低音の量感が増強されて良い感触を得ました。

約8年前に作ったWM8741を使ったDAC(お気楽オーディオキットさんのRenew DAC8741-1.5)も電源周りが貧弱だったので、いつか同じような改造をしたいと思っていました。

せっかくコンパクトな基板なのでパワーアンプも一緒に組み込めば、これ1台の電源を入れれば音楽を聴けるというお手軽な環境が手に入るなと思い、パワーアンプも組み込む形で検討を始めました。

ケース選びと基板配置

ケースをまずタカチのHIT23-7-18SSに決めました。丸みを帯びたボディが特徴的でヒートシンクを左右に備えています。形が気に入っていまして、いつか使いたいと思っていたケースです。

ヒートシンクがあるのが今回の用途にぴったりです。

ただ結構小柄なケースなので基板をどう入れれば詰め込みたい機能をすべて入れれるか考えました。

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基板のパズル

試行錯誤した結果、電流帰還アンプの基板を左右のヒートシンクに縦付けし、MOSFETミュート基板をバックパネルに取り付ければ収まるのではないかとわかりました。基板も2段重ねで取り付ける部分が多くなります。

構成

電源部

  • 3.3V DACデジタル用 & 5V DACアナログ用 : LT3080電源基板(お気楽オーディオキットさん) + Nuvotem Talema トロイダルトランス 7V 5VA
    • SETピンの抵抗に1000pFのフィルムコンをパラにしています。データシートを読むとそこにコンデンサを入れるとより低ノイズになると記載があったためです。
  • 12V DACオペアンプ用 : 3端子レギュレータ基板(ヤナソフトさん) TPS7A4700 & TPS7A3301 + Nuvotem Talema トロイダルトランス 12V 5VA
    • DAC基板の3端子レギュレータを取り付ける場所に取り付けています。
    • ローノイズなレギュレータを採用しました。
  • 12V パワーアンプ用: ディスクリート電源基板TYPE-S(お気楽オーディオキットさん) + RS PRO トロイダルトランス 12V 30VA
    • 2SC1815L & 2SC3421 & 2SC5200で3段ダートリン接続の構成です。

パワーアンプ用の電源はもう数Vくらい電圧を高くした方が良かったかもしれません。この電圧だとボリュームを最大近くまで上げるとクリップしてしまっていました。

DAC

  • Renew DAC8741-1.5(お気楽オーディオキットさん)
    • LPFのオペアンプはDAC1795-1.5のときに良い感触だったMUSES8820を使用しました。
      • OP275 , OPA2134 , OPA2604と聴き比べをして、音の分解能が高い感じがしたので選択です。

パワーアンプ

  • 電流帰還型パワーアンプ基板MiniAmp2(お気楽オーディオキットさん)
  • MOSFETミュート基板(お気楽オーディオキットさん)
    • 電源ON/OFF時のポップノイズをなくすために入れています。
    • リレーを使った基板と違って高さを抑えられるためバックパネルに取り付けが可能でした。これが無ければ、ここまで詰め込むのは難しかったと思います。
    • MOSFETはIRF1018を使っています。

組み立て

1段目を取り付けたときの写真が以下です。

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1段目

最初は用紙の上で基板パズルをして配置を決めましたが、どうも立体になると想定していなかった部分で干渉してしまったり、作ってるうちに構成を変更したくなったりして、ベースプレートには無駄な穴がたくさん空いてしまいました。

今回は電源周りを強化した構成を目指すので基板の半分は電源関係になります。電解コンデンサが並ぶ姿はそういった構成を目指した結果です。

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アンプ基板の動作確認

DAC基板は以前に作成した部分を使い回すため動作確認は不要ですが、パワーアンプ基板は新規に作るので動作確認を行い、問題なく動作しました。

この基板は何年も前に頒布してもらったのですが、作る時間がなくて眠ったままになっていたものです。ようやく火を入れることができたので感慨深いです。

2段目まで組み込み終わったときの写真が以下です。

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2段目

どの基板もクリアランスがぎりぎりでかなり密度が高くなっています。

完成形

すべて組み込み終わったのが以下です。

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すべて組み込み終わった状態

配線がごちゃごちゃしてしまってますが、きれいに這わせるスペースがなかったので、やむなしです。

放熱用に結構な量、穴を空けているのですが、実際に運用してみても自分が使う音量ではほんのり温かくなる程度でした。放熱穴は必要なかったかもしれません。

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前面パネル

入力セレクト用のトグルスイッチとフィルター切り替え用のロータリースイッチを下段に取り付けたのですが、位置を5mmくらい上にしたほうがバランスが良かったかなと思いました。

ボリュームももう10mmくらい左に寄せれば、大きいサイズのツマミをつけてもバランスが崩れなかったかなとは思いますが、裏にトランスがあるせいで、他のスイッチの場所を移せないので、これで妥協です。

電源スイッチはプッシュスイッチはデザインが良いのですが押し込みにくいという難点があり、今回は電源オンしやすいトグルスイッチにしてみました。

トグルスイッチはちょっと見た目が貧相に見えてしまう感じがあり、このあたりの選択はまだ頭を悩ませる課題です。次はロッカースイッチを試してみるかもしれません。

感想

DAC1795-1.5に同様の電源強化の改造を行うと低音域の量感が多すぎて、低音過多という感じになってしまったのですが、WM8741ではそのようなことがなく、中高音とのバランスが良い音になりました。

これだけ詰め込むので、ノイズを懸念していたのですが、スピーカーに耳を近づけて聞こえる程度のサーッ音のみで安心しました。

しばらくはこれで音楽を聴いていこうと思います。

Seeed Wio 3GからSORACOM Harvestに加速度データを送信して可視化

この記事はSeeed UG Advent Calendar 2018の14日目の記事です。

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Seeed Wio 3G

概要

Seeed Wio 3GからSORACOM Harvestにデータを送って可視化してみます。

Seeed Wio 3GはSIMを挿すことで3G回線でインターネットに接続できるマイコンボードです。Arduino IDEで開発できるので手軽にIoTデバイスを作成することができます。 またGroveというセンサーなどが簡単に接続できるモジュールに対応しており、はんだ付け無しでいろいろな機能を実現できます。

SORACOM Harvestはデータの蓄積・可視化を行えるサービスです。デバイスにSORACOMのSIMを組み合わせることで利用できます。

今回はマイコンボードSeeed Wio 3GにSORACOMのSIMカードを挿し、Groveの加速度センサーの値をSORACOM Harvestに送ってみます。

Arduino IDEの設定

Wiki/setup-ja.md at master · SeeedJP/Wiki · GitHub を参照してWio 3Gの開発環境を構築します。

Harvestの利用設定

SORACOM Harvest でデバイスのデータをクラウドで収集・取得・可視化する | Getting Started | SORACOM Developers を参照してSIMグループおよびHarvestの開始手続きを行います。

Groveモジュールの接続とライブラリの読み込み

Wio 3GのI2CコネクタにGrove 3-Axis Digital Accelerometer(±1.5g)を接続します。

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Wio 3GにGrove加速度センサーを取り付け

加速度センサーのライブラリとして GitHub - Seeed-Studio/Accelerometer_MMA7660: Seeed 3-Axis Digital Accelerometer(±1.5g) library を使いたいのですが、Wio 3GではWireクラスがWireI2Cになっていたりして、そのままでは使えません。

forkしてWio 3Gに対応したものを GitHub - mia-0032/Accelerometer_MMA7660_Wio_3G: Seeed 3-Axis Digital Accelerometer(±1.5g) library に置いていますのでZipでダウンロードして、ArduinoIDEにライブラリをインクルードしてください。

コードの書き込み

以下のコードをWio 3Gに書き込みます。Harvestのサンプルコードに加速度センサーの読み込み処理をつけたコードになってます。

可視化されたデータを見る

Wio 3Gを起動してしばらく立つとHarvestにデータが貯まっていきます。Harvestに送信されたデータは SORACOMのコンソール→SIM管理→SIMを選択→データを確認 という手順で見れます。

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harvest

センサーを動かすと出力される値が動けば成功です。定期的に振ると上のようなグラフになります。

製作上でハマったところ

  • 通常のArduinoのクラス名とは異なるクラスが使われているのでそのままでは動かないライブラリもある。
  • しばらく経つとHarvestへの書き込みが止まってしまう。
    • これは原因がわかっていない。

まとめ

SORACOMのマネージドサービスのHarvestを使ってお手軽にセンサーデータの可視化ができました。

Wio 3Gは3G回線が使えるので、SIMだけ挿せばネットワークにつながる*1のが楽で良いですね。

*1:SIMが挿せるボードは未発売です。今回は販売前の製品をお借りすることができました。

PCM1795搭載DACの電源周りを強化してケージング

ねらい

6年くらい前に製作したバーブラウンPCM1795を搭載したDACキットのDAC1795-1.5(過去記事)ですが、低音の迫力が欠けるているように感じていました。

そこで久々に改造して、電源周りを強化+ディスクリOPアンプ基板を搭載した形にすることにしました。

外観

設定の状態もLCDに表示できるようにして、ケースも新調したのでおしゃれな感じになりました。

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前面パネル

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背面パネル

ケース

ケースはタカチのOSアルミケースを使いました。高級感のあるアルミフレームケースです。

加工は大学時代にお世話になった株式会社FECさんに個人的にお願いして、加工していただきました。とても精度良く加工していただいて、組み立てしやすかったです。

パネルの印字は、イラレでデザインを作ってエーワン 自分で作るデカールシール 透明 1セット 81022をパネルに貼り付けました。

内部構成

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内部の写真

LCDのコントローラーの基板以外はお気楽オーディオキットさんで頒布されている基板を使いました。

  • 電源基板
    • アナログ部 + デジタル部(5V): 定電圧電源基板(TYPE-F)によるディスクリート構成
    • デジタル部(3.3V): LT3080電圧レギュレータ
  • ディスクリOPアンプ
    • Discrete-Amp Base Board + Rrenew Discrete Amp.基板 A1
  • DAC
    • DAC1795-1.5

トランスはデジットのトロイダルトランスを使っています。プレートに固定されているタイプのトランスなので、ネジ止めしやすく使いやすかったです。

オペアンプの選定

DACのI/V変換のOPアンプにはMUSES8920を選択しました。

OPアンプは何種類か聴き比べして試したところ、好みの音だったのはMUSES8920, OP275, LME49720で、特にボーカルの透明度と低音の量のバランスが良かったMUSES8920に決めました。OP275は元気な感じのする音で、LME49720はわりと落ち着いた感じの音で癖がない感じがしました。

次点で良いと思ったのは、OPA2134, MUSES8820でした。

ディスクリOPアンプ基板はA1, A6B, A7, A10, A11, A12を聴き比べして、最終的にA1を使うことにしました。次点ではA7, A6Bが好みの音でした。どれも僅差ではあると感じたものの、A1は最も低音と高音のバランスが良い印象だったので、選択しました。

LCDコントローラー

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LCDコントローラー

LCDのコントローラーはmbed LPC11U24を使って自作しました。

基板を描くのは初めてで、コネクタのパータンが逆になっていてケーブルを上下逆にしないと取り付けられない状態にはなってしまったものの、それ以外は上手く動いてくれたので良かったです。

感想

作り終わって音を聴いてみると低音の量感がかなり増しており、電源回路を強化したのは効果がありました。

デザインも気に入る形にできたので、しばらくはメインで使っていきたいと思っています。

いつになるかわかりませんが、以前作ったRenew DAC8741-1.5の方も同じように改造していきたいところです。

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