工作とかオーディオとか

作った物について書きます

スピーカー測定用の回転台を製作

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きっかけ

最近製作しているスピーカーを測定するにあたり、軸上だけでなく軸外の特性も測定しようと思っています。

軸外の特性を測定するには、以下の記事にあるようにスピーカーのバッフル板を基準にして角度を指定して回転できる台が必要です。

diy-audiospeaker.sub.jp

そのための回転台を設計して製作しました。記事のように電動のものにはなりませんでしたが、しっかりしたものを製作できました。

完成したもの

支柱と回転台部分の2つから構成されています。

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完成した測定用スタンド

実際にスピーカーを載せると以下のような感じになります。

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正面からの測定

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斜め45度からの測定

バッフル板が回転台の回転の中心にくるように設計されています。

支柱部分の構成

支柱およびスピーカーの設置台は、CLASSIC PRO MST20 スピーカースタンドのものを流用しています。

M8のボルト1本で固定できるので流用しやすい構造でした。

回転台の構成

回転台の部分はベアリング入りの回転盤とボールキャスターを組み合わせて作りました。

回転盤の中心にスピーカーのバッフル板がくるので、重心が少しずれます。台の傾きを防ぐために同じ高さのボールキャスターを取り付けることで、傾きを抑えています。

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回転台の接合部

台座の部分には5度単位の目盛が記入されています。実際には10度間隔でも十分かと思いますが、細かく書いてあります。

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台座の目盛り

測定のために移動させるのが楽になるように、支柱を取り外した状態で持ち運べるように設計しています。

おわりに

2wayスピーカーのエンクロージャー製作も佳境に入ってきたので、こういった測定のための治具を揃え始めました。

エンクロージャーがもうすぐ組み立て終わるので、それが一息ついたらまた記事を書こうと思います。

Scan-Speak Discoveryシリーズで自作2wayスピーカー - エンクロージャーの詳細設計

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はじめに

前回の記事で大まかなエンクロージャーの大きさを決定しました。

ただその設計では高さの制限をオーバーしてしまっていたので、その点を改善した設計を検討し直します。

定在波とディフラクションをシミュレーション

前回の記事のミニチュアなトールボーイ型をベースに高さを420mmに抑えた設計を行いました。

板厚が18mm(バッフル板のみ20.5mm)で幅210mm, 奥行195mmです。

この寸法での定在波のシミュレーションは以下です。

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定在波のシミュレーション

1kHz付近に定在波がかたまっているもののピークの周波数はズレているので、吸音材で対処できないものかと考えています。

もし対処できなそうであれば、他の手段を検討しましょう。

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ディフラクションのシミュレーション

前回の記事で横幅を大きめにとった方がディフラクションの特性がなだらかになることがわかりました。

そのため今回も横幅を大きめにとり、前回の記事と比較してバッフルの丸めも大きくして、よりなだらかな特性になるようにしています。

エンクロージャーを設計

最終的なエンクロージャーの形状は以下のようになりました。

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エンクロージャー外観図

前回の記事でつけていたスタンドはデザインを検討中なので、いったん取り外しています。

バッフル板はユニットの落とし込みを行うために15mm厚と5.5mm厚の板を重ねています。

エッジディフラクション対策として左右は15mmの丸めを行なっています。上下も3mmの丸めをしていますが、これは気休め程度かなと思います。ツィーターの位置の関係で大きな丸めにできませんでした。

左右の丸めを大きめに行うためにバッフル板を側板で挟み込む構造にしています。バッフルが2枚重ねの構造なので、こういう構造にせざるを得ません。これはデザイン上でも横幅を狭く見せるためのトリックにはなっています。

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エンクロージャーの内部構造

内部構造はこのようになっており、日の字型の補強板が1枚入っています。下半分の補強が若干弱そうなので、追加で何か補強を入れるかもしれません。

底板を取り外せる構造にしており、そこからネットワークの調整を行う予定です。また底板にはスパイクや台座の取り付け穴を開けています。

おわりに

板材の発注も完了し、この設計で問題ないのかドキドキしながら、到着を待っています。

届いたら組み上がりに問題がないかを確認し、問題がなければ組み上げていこうと思います。

このスピーカーのエンクロージャーの作図はFusion360で行いました。操作方法もだいぶ慣れてきて勉強になったので、他の工作にも応用できそうです。

板材が届くまでしばらく時間がありそうなので、その間は他のオーディオ工作を進めていきます。

Scan-Speak Discoveryシリーズで自作2wayスピーカー - エンクロージャーサイズの決定

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はじめに

前回の記事でエンクロージャー容積は9Lに決まりました。次はエンクロージャーのサイズを決めていきます。

エンクロージャーのサイズを決めるにあたっての制限事項を洗い出したあとに、定在波とディフラクションのシミュレーションを行い、実際のデザインのサンプルを作って最終的なサイズを決めていこうと思います。

各種制限事項の洗い出し

主に自分の設置環境の関係で出てくる制限などをまとめます。

エンクロージャーの制限

  • 板厚は18 or 21mmを想定。
  • 設置場所の関係で、幅240mm程度、高さ440mm程度、奥行き230mm程度まで。
  • 角丸めを行うために幅176mm以上必要。

ポート位置の制限

  • ポート位置はエンクロージャーの高さ方向の定在波の影響を受けにくい中央または1/4点に置きたい。
  • 設置場所の関係でできればフロントポートが望ましいがリアポートでも可。
    • フロントポートの場合は、最低でも高さ360mmが必要だがポート位置のことも考慮すると440mmくらいは必要。

定在波のシミュレーション

各方向の定在波があまり重ならない幅・高さ・奥行きの組を出して構成案とします。

制限内で可能なサイズを何度かシミュレーションした結果、以下の4つの組み合わせが候補になりました。

サイズ 形状 定在波
(A) 幅186
高さ432
奥行212
スリムで縦長 f:id:mia_0032:20210720104404p:plain:w240
(B) 幅192
高さ440
奥行217
Aの板厚21mm版 f:id:mia_0032:20210720104423p:plain:w240
(C) 幅208
高さ343
奥行234
幅広
高さと奥行きが長め
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(D) 218
高さ438
奥行192
板厚21mmの幅広かつ縦長
奥行きが短い
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(C)だけバスレフポートの共振周波数の近くに定在波の重なった部分が見られます。ポートの長さを調整する場合に気をつける必要がありそうです。

それ以外については周波数が分散しており、吸音材を使えば対処できるのではないかと思いました。

ディフラクションのシミュレーション

次に各案のディフラクションを見てみましょう。

デザインアクシスはツィーターとウーファーの中点をとしています。

ディフラクションとツィーターの合成特性の出力にはD2608/913000のデータシートの値を用いています。

ディフラクション 軸上特性
(A)幅186高さ432奥行212 f:id:mia_0032:20210720225818p:plain:w240 f:id:mia_0032:20210721092052p:plain:w240
(B)幅192高さ440奥行217 f:id:mia_0032:20210720225829p:plain:w240 f:id:mia_0032:20210721092104p:plain:w240
(C)幅208高さ343奥行234 f:id:mia_0032:20210720225840p:plain:w240 f:id:mia_0032:20210721092116p:plain:w240
(D)幅218高さ438奥行192 f:id:mia_0032:20210720225854p:plain:w240 f:id:mia_0032:20210721092133p:plain:w240

(A)と(B)のディフラクションは、3.3kHz前後にディップが見られます。これは(C)→(D)といくにつれて小さくなっているため、幅方向の大きさが影響を与えてそうです。

(C)や(D)のディフラクションでは6kHzあたりのディップが大きくなっています。ツィーター取り付け位置とバッフル上部の位置関係が関係しそうな周波数ですが、そのあたりは(A), (B)でも条件を揃えており、原因はわかっていません。

合成した軸上特性を見ると、2kHz前後の肩の特性が(A)(B)よりも(C)(D)の方がなめらかです。このあたりはクロスオーバーの周波数になるので、ピークが小さい方がウーファーと繋ぎやすそうです。

またディフラクションでも現れていた3.3kHz前後と6kHzあたりのディップを見てみます。

  • 3.3kHz前後のディップ: (A)(B)(C)には大きめに出ています。それらと比較すると(D)は小さいです。

  • 6kHzあたりのディップ: 逆に(C)(D)が大きめに出ており、(A)が最も小さい結果となりました。

6kHzのディップについては、データシート上はユニット自体にも30°特性で大きなディップがあるため、ネットワーク回路で少し持ち上げるのも手かとは感じています。また実測してから検討したいと思います。

結論

ディフラクションや合成した軸上特性を見る限りでは、(C)または(D)案を採用するのがウーファーとのクロスオーバーを設計しやすそうで、良いと思いました。

C案のサイズはオーソドックスですが、奥行きの制限にはギリギリです。

バスレフポートの位置がリアになってしまうため、推奨項目のフロントポートという条件を満たすことはできていません。

D案で気になる点はデザイン上のバランスです。

高さ438mmとブックシェルフとしては大型なわりに、奥行きが192mmしかありません。幅 > 奥行きとなる形で高さがあるため物理的に不安定そうです。見た目のバランスも気になります。

両者のデザインを比べるためにFusion360でモデルを作ってみました。

C D
幅208 高さ343 奥行234 218 高さ438 奥行192
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見た目のバランスではDも悪くなさそうです。

ただDは物理的に不安定そうなので、それを改善するために台座をつけたデザインを作ってみました。

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台座をつけたデザイン

ミニチュアなトールボーイという見た目で結構良さそうです。台座は自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブックのトールボーイ型の作例を参考にモデリングしました。

ただ台座を付けた影響で高さが少しオーバーしてしまっています。もう少し小さくできないか検討していこうと思います。

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