Scan Speak Discovery 2wayスピーカーの製作も終わって音の出口が良くなったため、上流も良くしていきたいなと思いDACの製作を始めました。
といっても基板から設計するのは大変なので、いつもお世話になっているお気楽オーディオキットさんから頒布されているROHM BD34301搭載のDAC34301を組み立てていきます。
DAC基板本体の組み立て
いろいろと実験していて表面実装部品を無理やり取り付けていて見栄えが悪いです。もうちょっときれいにしたいので今後修正していこうと思っています。
マニュアルの構成から特に大きく変わったことはしていません。
測定を行なってみるとI/V変換・差動合成のオペアンプは写真のOPA1611よりもOPA134の方がTHD+Nの値はよかったので、それで測定しています。
データシート上はOPA1611の方が特性が良いはずですが、DIP変換基板を介しているのでそれで特性が劣化してしまっているのかもしれません。
DACチップ周辺のチップタンタルコンデンサは DACのアナログ追求⑦コンデンサその1 : 通電してみんべ でおすすめされているものの100uF(KEMET T520B107M006ATE025)を使用しました。
LT3042周辺のコンデンサもPMLCAPを使っています。
測定の構成
測定はCosmos ADC + REW(macOS版)で行なっています。
測定方法は Cosmos ADC と REW でオーディオ特性の計測 - Qiita を参考にさせていただきました。
同じPCから1kHzのsin波の出力をするとノイズを拾ってしまって測定値が悪化するとわかったので、iPadのUSBポートにデバイスを接続して信号の出力を行なっています。
DC/DCコンバータ電源での測定
最初は以前の記事で製作したDC/DCコンバータ電源を接続して測定します。
SPDIFとUSB DDCの測定比較
まずはSPDIF(同軸)での接続で測定です。
ジッタが多いのか、1kHz付近は裾が広くなってしまっています。あまり良い結果ではなさそうです。
次はAmanero Combo384というUSB DDCを経由して接続してみます。直接接続ではなくI2S信号部分にアイソレータ(Si8660)を挟んでいます。
100Hz付近や50Hzの倍数で小さいピークが出ていますが、先ほどと比べて1kHz付近は裾が狭くなっており良い結果に近づいています。ジッタが少ないのが功を奏しているのでしょう。
トランス電源に変更
50Hzの倍数でピークが出ていたので、これは電源由来の可能性が高いと思いました。電源部分をトランスによるものに変更してみて変化するか確認します。
電源基板としてyanasoftさんの3端子レギュレータ電源基板を使いました。DAC基板にはオンボードでレギュレータが搭載されていたり、アナログ部の電源には別途レギュレータ基板を使っているので、この基板の音質影響は小さそうなので通常の3端子レギュレータを使っています。
電源を交換したところ、先ほどのような50Hzの倍数での小さいピークが消失して、50Hz, 100Hzに多少のピークが存在するだけになりました。
まとめ
Cosmos ADCを使って測定を行うことで、今まで見れていなかった部分まで定量的な調整ができるようになりました。
製作したDC/DCコンバータ基板は自分の設計力不足か少し残念な結果となってしまったため、このDACの製作はトランス電源で製作を続けることにします。
次回の記事
今回行った3つの測定はTHD+Nなどの数値としては実はあまり変わらない結果となっています。もう少しそのあたりの数値を改善できないか調査してケージングを行います。