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作った物について書きます

特性改善のためのエンクロージャー修正 - Scan-Speak Discoveryシリーズで自作2wayスピーカー

もう2ヶ月ほど前になってしまいますが、製作した2wayスピーカーの測定を行った結果が以下の記事です。

これらの測定を通して明らかになった大きな問題点が2つあります。

  • ポート出力からの中音域の漏れによるディップ
  • エッジディフラクションによるピーク・ディップ

これらに対して対策を行いました。

ポート出力からの中音域の漏れへの対策

Near Field測定の記事の中で調査した結果、ポート長を短くすることで中音域の漏れを小さくできることがわかっています。また吸音材の調整も必要そうでした。

ポート長を短くする

ポート長を短くするためにはポート径を小さくしなければなりません。すでにエンクロージャーにはポート径42mmを前提とした穴が開いており、それをどうやって調整するかが課題になっていました。

そこでPartsExpressで取り扱っているPrecision Portのようなものを自作することで対応します。既製品にはサイズの合うものがありませんでした。

Fusion360で設計したアダプタ

Fusion 360で設計して、PCBWayの3Dプリントサービスで製作しました。ポートごとに前後に装着するので計4つ作りましたが4000円程度でできました。

フレア状のアダプタリング

出来上がってきたものは家庭用3Dプリンターで作ったようなレベルの仕上がりでしたので、全体とサイズが合わない部分のヤスリがけしてパイプの取り付けができるようになりました。

アダプタにパイプを取り付けた状態

本体へは穴に入れるだけで取り付け完了です。本組みするときには接着剤で固定しようと思いますが、とりあえずは挿し込むだけです。

本体へのアダプタの取り付け

今までのフレアポートを2つ接続する形に比べると、パイプ部分を交換するだけで長さの変更ができるためポートの調整が格段にやりやすくなりました。

吸音材の調整

吸音材は調整して、最初はこれくらいの量で測定を行っていました。

初期の吸音材の量

吸音材としてホワイトキューオンとニードルフェルトを調整して使っています。

この状態でポート長を78mmとしたときのポート出力のNear Field測定とFar Field測定を行った結果が以下です。

ポート長78mmのときのポート出力のNear Field測定結果

ポート長78mmのときのウーファーのFar Field測定結果

ポート出力のNear Field測定結果を見ると1.8kHzのあたりに大きなピークが出ています。これがFar Field測定結果にも影響を与えており、1.8kHz付近にディップができています。


(2021/01/28修正) 公開当初は定在波の影響と記述しておりましたが、コメントをいただいて再度データを精査したところポート共鳴のようでしたので、内容を修正しました。


ポート長を変えて試していくとピークの周波数が変化し、だいたいシミュレーションと一致します。

ポート長の変更によるピークの変化

なお図中の吸音材追加の部分は以下のようにポート周辺へ吸音材を追加しています。

吸音材の量を増加

吸音材を追加することでピークが小さくなることが確認できたため、その状態でFar Field測定を行ってみました。

吸音材を追加した後のウーファーのFar Field測定結果

1.8kHzあたりのディップは完全にはなくなってはいないですが小さくなりました。もう少し改善の余地はあるものの、ネットワーク完成後でもできる範囲かと思うので、いったんここで調整を止めました。

ポート共鳴の場合には吸音材が有効ではないという認識だったので、吸音材の追加でピークが小さくなるのは腑に落ちない感じではあります。何かわかったら追記しようと思います。

エッジディフラクションによるピーク・ディップへの対策

Far Field測定の記事でツィーターの特性を見てみると3kHz付近にエッジディフラクションの影響と思われる指向性の乱れが出ていました。

製作したエンクロージャーのバッフルは側板側は15mmで丸めを付けていたものの、天板側は3mmの丸めしか付けていませんでした。これによりエッジディフラクションの影響が強く出ていた可能性があります。

またバッフルにはマグネットホルダー用の金具が取り付けられており、それが多少凸凹した状態になっていたのも影響していた可能性があります。

以前の測定のときの状態

まずはバッフルの角を落とすところから始めました。見た目としても角が丸まっているよりも落とされている方がすっきりするため、丸めはあまり行っていません。

バッフルの角を落とした状態

角を落とすのはカンナでがんばって行いました。面取りのカンナでざっくりと形を整えて、小さいカンナで微調整をしました。

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カッター刃を使うタイプのボードカンナも試したのですが、刃の食い込みがキツくて木が割れてしまいそうでした。普通のカンナの方が使いやすかったです。

次にマグネットホルダー部分を対策します。マグネットホルダーを深くに埋め込んでそこを薄い板で覆うことでバッフル表面に凹凸がない状態を目指します。

マグネットホルダーを深めに取り付けた状態

1mmのMDFを被せた状態

マグネットホルダーの穴を深くして、そこに埋め込みます。そして1mmのMDF板を被せてボンドで接着しました。

多少の凹凸は100番の紙やすりで削って修正です。

平らになったマグネットホルダー部分

これでエンクロージャーの修正は完了です。見た目もすっきりして良い感じになりました。

角を落として平らになった姿

もともと幅の方が奥行きよりも長い設計でしたので、バッフルの角を落としたことで幅と奥行きの見た目上のバランスが整った感があります。

測定マイクの買い替え

なおFar Field測定の記事で話題にした測定マイクのキャリブレーションファイルがガタガタしている件ですが、測定マイクを買い換えました。

同じDayton Audio EMM-6ですが、Cross Spectrum Labsが独自にキャリブレーションし直したバージョンを販売しています。

Cross Spectrum Labsのマイクのキャリブレーション特性

このマイクのおかげで、より精度の高い測定を行えるようになったと思います。

次回の記事

次はこの状態で再測定を行った結果をまとめます。結果が良くなっていると良いのですが...

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