ウェーブガイドWG148RとツィーターSB29RDNC-C000-4の組み合わせを検証

前回の記事ではVisaton WG148R & Monacor WG-300とPeerless XT25TG30-04の組み合わせを検討してみました。

他のツィーターと組み合わせての特性を確認してみたいと感じたので、今回は以下の2つのツィーターを試してみます。

手持ちのツィーターからデータシート上での特性が素直そうなものを選びました。

前回の記事ではMonacor WG-300との組み合わせも検討しましたが、ウェーブガイド自体がかなり大きくてエンクロージャーが大型になりそうだったので、今回はVisaton WG148Rに絞ります。

アダプタの製作

SB29RDNC-C000-4はエッジを含めた振動板がWG148Rのスロート径より大きいです。そのためツィーターにリング状の延長アダプタをつけて、ウェーブガイドを少し振動板から離して取り付けました。スロート部分でいったん絞るような形になります。

SB29RDNC-C000-4にWG148Rを取り付け

以前使った Dayton Audio ND25FW-4 もエッジ部分がスロートより少しはみ出るような形でしたので、似たような形にはなっています。


RST28A-4の方も見てみましょう。フェイスプレートを取り外すことはできるのですが、振動板を覆っているネットを取り外すことはできないようです。そのためネットの上からウェーブガイドをかぶせるような形になってしまいました。

RST28A-4にWG148Rを取り付け


今回の部品製作はPCBWayさんにスポンサーしていただきました。ありがとうございます。

PCBWayの3Dプリントサービスに発注して製作していただいたアダプタが以下です。寸法精度や平滑の度合いも問題なく、満足な仕上がりです。

PCBWay 3Dプリントで製作したアダプタ

スピーカー1セット分になるので両方とも2個ずつ注文して合計$26くらいの価格でした。片方は厚みも5mmくらいあり直径も115mmと大きいこともあり、価格面が心配でしたがこれくらいの価格で製作できて安心しました。

自分で製作するとヤスリがけしたりといろいろ手間がかかるので、やっぱり発注した方が楽で良いですね。

測定結果

アダプタを使ってウェーブガイドに取り付けたツィーターを測定します。測定条件は前回と同じです。比較用に前回のXT25TG30-04の結果も合わせて示します(前回は40dBレンジで載せていたことを失念していて、これだけズレてしまっています)。

SB29RDNC-C000-4 RST28A-4 XT25TG30-04
SPL測定結果
軸上で正規化した結果

RST28A-4の測定結果のピークとディップの激しさが目につきます。正規化しても11KHz付近に乱れがあるようで、少し扱いづらさを感じました。

SB29RDNC-C000-4の結果を見ると10KHzのディップとそれ以降の大きなピークが気になるものの、正規化された値を見ると軸外に向けてきれいに減衰していっているので、軸上を整えることができれば綺麗な特性を得られそうです。

これら2つと比べるとXT25TG30-04はピーク、ディップが少なく扱いやすそうな特性であるとわかりました。

まとめ

今回はウェーブガイドのスロート径より大きな振動板(とエッジ)を持つツィーターを使えないかどうか確認してみるのが一つの目的でした。

試した2つのツィーターはどちらもXT25TG30-04より扱いやすい結果になったとは言いづらいです。

他に候補があれば試すかもしれませんが、これらの候補からスピーカーを製作するならVisaton WG148RとPeerless XT25TG30-04の組み合わせが良いかなと思います。次点でSB29RDNC-C000-4でしょうか。

©2023 みや All rights reserved.