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ウェーブガイドを使ったデスクトップ小型2wayスピーカーの製作 - 過去記事一覧
- ユニットの検討とウーファーのT/Sパラメータの測定
- パッシブラジエータ型のエンクロージャーの設計
- エンクロージャーの組み立て
- Near Field測定とパッシブラジエータの調整
- Far Field測定とクロスオーバー周波数の検討
- クロスオーバーネットワークの設計
前回の記事ではクロスオーバーネットワークを設計しました。今回はそのネットワーク回路を調整しつつネットワークボードを組み立てます。
ネットワーク回路の調整
前回設計した回路では、4kHz付近に少しディップがあったのとクロスオーバー付近で位相がずれておりReverse Nullがあまり出ていないという問題がありました。
間違い探しに近いレベルですが、そこを改善したのが変更後の回路です。推定Preference Ratingは少し下がって6.87となりましたが、前述の問題点は解消することができました。
変更前 | 変更後 |
---|---|
Reverse Nullも出るようになりました。
ネットワークボードの作製
前回の記事で描いたネットワークボードのパターンを修正して配線幅や穴あけ位置の調整、定数の変更にも対応できるように部品穴を増やしたりしました。
発注して届いた基板がこちらです。
銅箔厚を2ozにして基板厚も2.4mmとしたのでプリント基板としては重みがあります。
端子台の部品穴が少し小さかったりと細かいミスはありましたが、大きな問題はなく組み上がりました。コテで銅箔と部品の足を結構な時間温めないとハンダが流れなかったので部品の交換は大変そうです。
ウーファー側のネットワークは基板サイズに余裕がないため部品サイズを優先した選択になっています。ツィーター側は余裕あるのでお好みの部品に交換することも可能でしょう。
これくらい複雑なネットワーク回路になってくると手で組み上げるのは骨が折れる仕事ですし、この密度でこの仕上がりにはできなかったでしょうからプリント基板にして正解でした。
エンクロージャーとの固定は基板にマジックテープを貼り付けて行おうと考えています。
スピーカーケーブルのメンテナンス
昔からCANARE 4S8をスピーカーケーブルとして使っているのですがバナナプラグも古くなってきてこともあり、これを機にプラグの部分だけSatoのクレープ形状のものに新調してバイワイアリングに対応させてみました。
デスクトップ用のケーブルですので長さは1mと短めです。
次回の記事
ネットワークボードを組み込んでインピーダンス測定までは本当はやりたいところでしたが、現在エンクロージャーの塗装作業を進めていてできませんでした。
次回の記事で塗装の話とネットワークボードの動作確認もかねてのインピーダンス測定の結果を紹介できればと思います。