エンクロージャーの組み立て | ウェーブガイドを使ったデスクトップ小型2wayスピーカーの製作

前回の記事でエンクロージャーの設計までが終わりました。発注した木材も到着したので組み立てていきます。

エンクロージャーの仮組み

エンクロージャーの木材はストーリオさんに発注しました。

加工精度が高いのもありがたいですが、板取り図を作る必要がないのも嬉しくて3D CADで図面さえ描けばすぐに発注できます。

加工がかなり複雑でしたので時間がかかりましたが、数週間後に届いた木材を仮組みして設計に間違いがないか確認しました。

エンクロージャーの仮組み

特に設計にもミスがなさそうで一安心です。

バッフル板の追加加工

バッフル板にはユニットの取り付け穴や両サイドの面取り加工はしてもらったのですが、その他の細かい加工は自分で行います。

裏側の面取り加工

まずはウーファー取り付け部の裏側の面取り加工を行い、ユニット後部からの空気の通りを良くします。彫刻刀で荒削りした後に、カッタービットを使ってミニルーターで形を整えました。

ウーファー取り付け部の裏側の面取り加工

上下面の面取り加工

上下の面は30°の面取り加工を行います。突き板を貼って仕上げる予定なので45°よりは浅めの角度にしています。

ここも手加工で面取り鉋とミニルーターで行いました。角利の面取り鉋は角度を30°, 45°, 60°に調整できるので便利です。

上下面の面取り加工

www.monotaro.com

鬼目ナット・ビットインサートの埋め込み

次に鬼目ナットやビットインサートを埋め込んでいきます。

基本的には鬼目ナットをメインで使っています。しかし今回のエンクロージャーではウーファーの取り付け部に余裕がなく鬼目ナットが入らない状態でした。そのためツバの部分が小さいビットインサートを使いました。

鬼目ナット・ビットインサートの埋め込み

鬼目ナットなどはネジを使って圧力をかけて押し込んでいきますが、ラチェットタイプのドライバーを導入してからは作業がだいぶ楽になりました。圧力がかかって木材が凹んでしまうので、なるべく大きめのワッシャーを挟んで作業するのがいいと思います。

なお今回はM4のナットを埋め込みましたが、通常の低頭ネジでは頭が大きくてユニットのネジ穴に入りません。ちょっと高価でしたが、小頭のタイプの低頭ネジを購入して対処しました。

item.rakuten.co.jp

マグネットホルダーの埋め込み

最後の追加工はマグネットホルダーの埋め込みです。

グリルのフレームの方にマグネットをつける予定で、それを受けるためにマグネットがくっつく素材をバッフル板に埋め込みます。特性に影響しないようにグリルを取り外せば面一の状態になるように工夫しています。

14.5mm程度の穴を開けて皿ネジ用ワッシャを入れてねじ止めし、その上から1mm厚MDFをボンドで接着します。

金属ワッシャーを埋め込み

WSRB14-2.5 | 金属ワッシャ -皿ボルト用タイプ- | ミスミ | MISUMI(ミスミ)

穴から少しMDFが飛び出すようにしておいて、あとでヤスリをかけて仕上げます。

1mm厚MDFでフタをする

組み上げ

全体をタイトボンドとクイックバークランプ、コーナークランプを使って圧着していきます。

組み上げの様子

バッフル板の接着

小型なスピーカーで部材も多くないため、接着作業にはそこまで時間はかかりませんでした。

組み上がったばかりの姿

突き板貼り

今作では、表面仕上げに突き板を使ってみることにしました。

何種類かを取り寄せてみて着色して色合いを確かめた結果、ウォールナットの板目の突き板に決めました。

tsukiita.com

突き板用のボンドやローラー、アイロンを使って接着していきます。

突き板の接着

両サイドと前面は曲面でつながっているため、1枚の突き板で仕上げています。それ以外の各面は1枚ずつ貼り付けています。

突き板を貼った姿

ユニットの取り付け

軽く表面にヤスリがけをしてから、測定を行うためにいったんユニットを取り付けました。

ウーファーが小さいサイズなので相対的にツィーターが大きく見えます。

ユニットを取り付けた姿

モチベーションを上げるために組み上げた片チャンネルをウーファーだけで軽く鳴らしてみました。ネットワーク無しなので高域がうるさいですが、中低音域は結構期待できる音な気がします。

次の記事

次回はニアフィールド測定を行ってパッシブラジエータの調整をしたいと思います。

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