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ウェーブガイドを使ったデスクトップ小型2wayスピーカーの製作 - 過去記事一覧
- ユニットの検討とウーファーのT/Sパラメータの測定
- パッシブラジエータ型のエンクロージャーの設計
- エンクロージャーの組み立て
- Near Field測定とパッシブラジエータの調整
- Far Field測定とクロスオーバー周波数の検討
- クロスオーバーネットワークの設計
- ネットワークボードの作製
前回の記事ではネットワークボードの製作を行いました。今回はそのボードをエンクロージャーに組み込み、スピーカーユニット等も取り付けてインピーダンス測定を行い、動作確認をします。
エンクロージャーの塗装
エンクロージャーの組み立ての記事で紹介したウォルナットの突板が貼られた状態からスタートします。
表面をヤスリがけして水性ポアステインで着色していきます。着色の工程とニスでの仕上げの工程は分けた方がムラになりにくいので、この順序でやっています。
B&Wのスピーカーの色でローズナットという色がありますが、その色が好みだったのでそれに近い色合いを目指そうと思います。 端材にウォルナットの突板を貼って試したところ、ポアステインのワインレッドを塗布すると似たような色合いになりそうでした。
この状態では若干色が明るめですが、この後にニスを塗っていくとだんだん落ちついた色合いになっていきます。
目止めのために水性サンディングシーラーを塗ってはヤスリがけをすることを3回繰り返しました。
今回のエンクロージャーは背板が取り外せる構造なためウーファーの取り付け穴に長板を通して乾燥させることができ、全面を一度に塗るのが容易でした。
表面が平らになってきたら水性ウレタンニスを塗って完成です。落ち着いた雰囲気になるのと塗装のムラが目立ちにくいので、ニスはつや消しタイプのものをいつも使っています。
深めの赤で良い色合いになりました。ニスはほんの少し薄めてコテバケを使って塗ると失敗が少なくなります。薄めすぎると垂れるので注意しましょう。
スピーカーユニットやネットワークボードの取り付け
スピーカーユニットやパッシブラジエータをそのまま取り付けると段差ができてしまうので、高さを調整するために厚紙でパッキンを製作しました。
ネットワークボードを中に組み込んでスピーカーユニットなどをねじ止めしていきます。全体の配置はこんな感じになりました。
以前のNear Field測定で吸音材は多めにした方が良いとわかったので全体にふんわりと吸音材を入れます。
パッシブラジエータを取り付けて完成です。高級感のある見た目になりました。小型で設置場所に困らない感じが良いです。
インピーダンス測定で動作確認
クロスオーバーネットワークが正しく動作しているかを確認するためにインピーダンス測定を行い、シミュレーションと一致しているかを確認します。
測定結果を見るとLPF側はシミュレーションと実測値がほぼ一致しているが、HPF側は7kHz以降で実測値の方が最大0.5Ωくらい低いようです。
ツィーターと並列に入っているCRの抵抗値を上げるとシミュレーション結果が実測値に近づきました。基板上で1番長い引き回しをしている部分ではあるのでパターン抵抗の問題かなと思います。
シミュレーション上は最終的な特性には軽微な影響そうです。
シミュレーション | 実測 | |
---|---|---|
ウーファーのみ | ||
ツィーターのみ | ||
両方 |
次回の記事
次回は最終的な特性を確認するためにNear Field測定, Far Field測定を行う予定です。
板厚が薄いため音量を上げるとエンクロージャーが振動しているのは気になる点ではあるのですが、ネットワークボードがある関係で制振材を貼り付けるという対策が取りにくくて、どうするかは迷っています。