パワーアンプの製作を考えているので、電源回路にどういったものを採用するか検討してみました。
出力電圧は15V前後、電流は1Aくらい流すことを想定して、3段ダーリントン接続の電源回路をLTSpiceでシミュレーションしてみました。
特に矩形波を流したときのリギングの状態は見ておきたいので、その点を主にシミュレーションします。
負荷として15Ω抵抗と0-8Vで振幅する500Hzの矩形波を接続した状態を想定します。出力のコンデンサは1000uFとしました。
リップルフィルター回路
まずトランジスタによるリップルフィルターを検証してみます。単純な回路で負帰還はかかっていません。
上記と同等の回路でドライバー段のトランジスタをPNPトランジスタに変更してインバーテッドダーリントン接続にした回路も試してみました。
リップルは小さくなりました。ただ少し波形にひげが出てしまっています。
負帰還をかけた回路
いつも基板を使わせてもらっているお気楽オーディオさんのディスクリート電源Type-Sの回路を試してみます。
リップルはさらに小さくなりました。この回路も少しひげが出ていますが、とても小さいです。
カニさんのブログに載っていた通電してみんべさん・Sさん式電源改の出力をダーリントンに変更した回路もシミュレーションしてみました。
この回路は小さいリップルになりました。
感想
3段ダーリントンで負帰還をかけた回路は発振しやすく、出力のコンデンサを減らすと発振してしまったりする状態でした。負荷のかかり方によっては発振してしまうことも考えられます。
電力増幅段の電源としてはリップルフィルター回路でも十分にリップルを減らせていると感じました。安定していて負荷による発振もあまり無さそうです。
電圧増幅段にはよりリップルの少ない電源を用意したいものの電流はそこまで必要ないですし、負帰還をかけても安定しやすい2段ダーリントンで回路を構成するのが良さそうです。
番外編
DC/DCコンバータを使って正負電源を製作しました。その評価を行なっています。