2015/07/04に天王寺動物園において行われたシカケコンテスト2015で作品を発表してきました。
発表した作品は、熱中症を防止することを目的にした「水分補給お知らせペットボトルホルダー」です。
水分補給を楽しくするシカケと水分補給をお知らせするシカケを組み込んでおり、水分補給を全力で促す作品になっています。
ただコンテストでは他の発表と、ペットボトルホルダーというネタまでかぶってしまい、だいぶつらい感じになってしまいました。
熱中症は被るかもしれないとは思っていましたが、ペットボトルホルダーまでネタがかぶるという状況は想定していなかったです。
司会の方のフォローもあって何となく技術っぽさを伝えることができたのか、大変うれしいことに技能賞をいただきました。
スライド
デモ動画
水分補給お知らせペットボトルホルダー from mia_0032 on Vimeo.
解説
今回は、使用したい部品のライブラリがすべて揃っていたので、mbedを使って作りました。
音声再生のライブラリがアナログ出力を使うので、LPC1768で製作しました。
mbedに書き込んだプログラムは以下に公開しています。
mbed_petbottle_holder_shikake - a mercurial repository | mbed
使用した部品は以下の通りです。
- 電源: 単3電池 * 4
- マイコン: mbed LPC1768
- 加速度センサー: KXM52
- タッチセンサー: MPR121
- SDカード (変換基板を使用)
- スピーカー
- アンプ: LM386を使って自作
- ディスプレイ: MARY-OB OLED
- 筐体: スチレンボード
組んだときの状態はこんな感じでした。
思った以上に複雑になってしまったので、もうちょっと簡単な構成にしたいところです。
「飲む」という動作をとる仕組み
以下の2点を両方満たすときに「飲んでいる」と判定しています。
- 加速度センサーのZ軸方向にかかっている加速度(この場合はほぼ重力加速度)が一定の数値を下回るとき
- つまり傾いているとき
- タッチセンサーが反応しているとき
音声出力と画像出力について
扱いやすいように、事前に音声はwaveファイル、画像はビットマップファイルに変換しておいて、SDカードに保存しています。
それを必要なタイミングで読み込んで、鳴らしたり表示したりしています。
音源と画像は以下のものを利用させていただきました。ありがとうございます。
- 象の鳴き声: http://soundeffect-lab.info/sound/animal/
- 拍手: http://soundeffect-lab.info/sound/various/various3.html
- 象の画像
改善点
今年はMakerFaireに出展したりしないので、展示する機会はなさそうなのですが、今後どこかで展示する機会があれば、以下の点は改良したいと思っています。
- 小型化・軽量化
- 電源が用途に対して大きすぎると思うので、減らしたい。
- 積み重ね式になっていて無駄なスペースが多いので修正したい。
- 簡素化
- 画像表示は不要なのでは?
- タッチセンサーなしでも、加速度センサーだけでもうまくいく気がする。
- 筐体
- ちゃんとしたケースに入れたい。
- 割り込み
- 鳴き声が鳴っているときに傾けても、再生が終了するまで次の処理に入らないので、その点は修正したい。
コンテストの感想
まず、どの作品も発想力は本当に見習いたいと感じました。
どうも技術的な方向に発想が偏ってしまうので、その点は直していきたいと思います。
コンテストの作品の技術的な面では、RFIDなどで人の行動を検知して「○○すると○○が起こる、それが楽しいので学びや気づきになる」という物が多かった印象があります。
個人的には、動物の顔との合成写真が作れるものや、水で色が変わる紙を使った作品が印象深かったです。
アイデア部門の発表は、実際に使用するとなると耐久性などは考えないといけないですが、動くものを作る程度であれば個人でも作れる物が多かったので、実装部門で発表してもよかったのではと思いました。
実際に作ってみると、うまく動かない、思ったよりも効果がなさそう、というのはよくあることなので・・・
自分の作品は拍手で「飲む」のを楽しくする部分はともかく、「お知らせ」部分はシカケと言って良いのかが微妙な感じでした。
「動物園」というテーマにも直接関係しているものではなかったので、アイデアを考えるのは難しいです。
次回のコンテストがあるなら、その点を解消して作りたいところですが、なかなか骨の折れることだなとは感じています。
ともあれ、いろいろなアイデアを聞けるのは楽しいので、また何らかの形で参加できればいいなと思います。