
【再掲: ブログ統合のお知らせ】
別ブログで執筆していたミニ四駆記事を、こちらの『工作とかオーディオとか』に統合します。更新や管理が煩雑になってきたため、一本化することにしました。
2026年1月の発売以降、MEシャーシをベースとしたマシンの調整を続けています。2月の大会(ステーションチャレンジ 1st Round)での結果から、6月に向けての明確な課題は「速度の底上げ」であることが見えてきました。

改善に向けていくつかのセッティングを検証しています。この記事ではその第一弾として「フロントローラーの変更がタイムに与える影響」について検討した内容をまとめます。
従来のフロントローラーセッティング:17mmテーパーローラーの課題
これまでのフロントローラーセッティングは、以下の構成をベースとしていました。
- 下段: 17mmテーパーローラー
- 上段(スタビ): 13mmアルミローラー+ローラー用ラバーリング
- スラスト角: 6°
- ローラー幅: 104mm

テーパーローラーはエッジ部分が薄くなっていてコース壁への食いつきに優れ、コースアウト率を下げられる利点があります。また、17mmというサイズは必要に応じてアンダーローラーに16mmのゴムリング付きプラローラーを配置できる柔軟性の高さも評価していました。1mm違いのサイズで2段ローラー以外のゴムリング付きローラーを選択できるのは17mmローラーの優れた点です。

しかしながら、17mmテーパーローラーは軽量タイプが存在せず、フロント周りの重量増につながっていました。今回は速度の改善を行いたいため、なるべくマシンを軽量にしたいところです。また本当にテーパーローラーほどの食いつきが必要なのか、といった疑問もありました。
そこで今回は、フロントの軽量化および速度の向上を狙い、13mmローラーを用いたセッティングへの回帰と再検証を行います。
ちなみに、17mmローラー用の段下げステーは「ローラー幅104mm」であれば、SKWさんの純正スラダン用段下げ治具(ローラー幅100mm用)を使えば簡単に製作できます。13mmローラーで幅100mmになる穴位置は、17mmローラーを取り付けるとちょうど幅104mmになるためです。SKWさんの他のスラダン治具は101mmが最低幅になるため、この治具だけにこの方法が使えます。
ローラーベースの再考
ローラー径の変更に伴い、段下げステーを作り直すことになるため、ローラーベースの調整もできる構成にします。
従来の設計におけるローラーベースは130mmです。マシンは前後にスラダンを搭載しており、稼働時のストローク量を考慮すると、コーナリング時にフロントが約1mm後退、リアが約2mm前進する計算となります。つまり、コーナリング時の実質的なローラーベースは約127mmまで短縮されており、最適なローラーベースからはやや短いのではという疑問がありました。
リア側の延長は少し大きめの改修を伴うため、今回はフロントローラーの位置を前後に調整することで、ローラーベースとタイムの関係性を探ります。
検証コースレイアウト
テストには大きめの8の字型レイアウトのコースを使用しました。

3周で約40mという比較的短いコースであるため、実際の大会での走行距離に近づけるべく、複数ラップを走行させたタイムを測定値として採用します。
17mmローラーでの走行タイム
まずは基準となる、以前から使用している17mmローラー各種でのタイム(秒)を測定しました。
| ラップ | テーパー | 軽量 | プラリング |
|---|---|---|---|
| 1 | 8.585 | 8.269 | 7.923 |
| 2 | 7.836 | 7.343 | 7.098 |
| 3 | 8.103 | 7.376 | CO |
| 平均 | 8.175 (5.04m/s) | 7.663 (5.37m/s) | 7.511 (5.48m/s) |
テーパーローラーは壁への食いつきが良い反面、現在のスラスト角(6°)ではコーナリング時の減速が目立つ結果になりました。「軽量アルミ」や「プラリング付き」といった、壁への抵抗が少ないローラーに変更していくにつれて、順当にタイムが向上していくことがわかります。

目指す速度の目安は、満充電時で平均速度6m/s程度としていますが、プラリング付きローラーを採用してもまだ目標値には届いていませんでした。
また、現在のマシンのセッティングでは、プラリング付きローラーを使用するとコースアウトが目立ちました。 コース壁への食いつきが不足していることが原因だと思われるため、この構成を常用するには、不足を補うアンダーローラーなど他の箇所で追加のセッティングが必要になりそうです。
13mmローラーでの走行タイム
次に今回のメインである13mmローラーをフロントローラーとして試します。「軽量2段アルミローラー+湯呑みスタビ」というシンプルな構成を採用しました。

フロントの段下げローラーステーは、スラダン用カーボンプレートを加工して製作しています。取り付け穴を変えることで、以下の2パターンの寸法を選べるようにしました。
- 前側の穴: ローラー幅 104.5mm (プレートの既存穴) / ローラーベース 132mm
- 後ろ側の穴: ローラー幅 104.0mm (新規穴) / ローラーベース 130mm


それぞれの穴位置で計測したタイムが以下になります。
| ラップ | 前側の穴(ベース132mm) | 後ろ側の穴(ベース130mm) |
|---|---|---|
| 1 | 7.818 | 7.925 |
| 2 | 6.804 | 7.019 |
| 3 | 7.043 | 6.946 |
| 4 | 7.173 | 6.975 |
| 平均 | 7.210 (5.71m/s) | 7.216 (5.70m/s) |
最速タイムの6.8秒は、目標としていた平均速度6m/s程度に達しており、良い速度感です。全体としてみると最速タイムは前側の穴の場合ですが、4ラップの間のタイムのばらつきは後ろ側の穴の方が小さいという結果です。
前後の穴位置による平均タイムの差はわずかだったため、どちらを採用するかは悩ましいところです。ただ、後ろ側の穴(ローラーベース130mm)を使用した場合はレーンチェンジ(LC)でたまにコースアウトすることがあり、スラストを抜くとその不安定さが顕著になる傾向がありました。 そのため、今回はLCのクリア率が安定していた「前側の穴(ローラーベース132mm)」を採用することにしました。
ローラー幅が少し異なる点は気になる点ではあるため、104.5mmで統一した段下げステーをあらためて製作してみても良いかもしれません。
17mmローラーと比較して良い速度が出せたのは、今回使用した軽量2段アルミローラーがまだ新しく、摩耗が進んでおらずエッジに若干の丸みが残っていた点が要因かもしれません。17mmテーパーローラーと比較して、現在のスラスト角に対して壁への食いつきが適度であったことが、良い結果に結びついたと推測しています。 今後使い込んでローラーの摩耗が進み、エッジが鋭くなってきた際には、スラスト角の再調整が必要になるでしょう。
まとめ
今回のテスト結果を踏まえて、MEシャーシ マシンのフロントのセッティングは以下にしました。
- ローラー径: 13mm(軽量2段アルミローラー)
- ローラー幅: 104.5mm
- ローラーベース: 132mm
フロントローラーの変更により、課題であった速度の底上げについては一定の成果を得ることができました。
今回の検証で試せなかったことは、17mmローラー、特にテーパーローラーはコース壁への食いつきが良い分、スラストを抜いても安定する可能性があることです。その場合に速度が逆転するのか否か、時間を見つけて検証したいと思います。
直近では、このセッティングでの「ジャンプ姿勢の確認」や、「タイヤのグリップによる差異」について検証を進めていこうと思います。