「Team Geek」と「Being Geek」を読んだ
Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのかを読んだ。
評判が通りの良書だった。
ギークがチームをマネジメントするときに注意しなければならないことを述べいているが、特にギークに限った話ではなく、一般的にチームをマネジメントするなら必要な点が述べられているように感じた。
本書では良いチームを作るために必要なことは以下の3つの点だと述べている。
- 謙虚(Humility)
- 尊敬(Respect)
- 信頼(Trust)
そして、この本で言いたいことは以下の1文でほぼ表されている。
あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ。
この文を更に具体的に掘り下げていくというのが、本書の残りの部分である。
- ミーティング
- コミュニケーションツール
- リーダーシップ
- 組織
- ユーザーとのコミュニケーション
といった項目について、うまくいかない状況を上記の3つの点から見て、どう対処すべきかを論じている。
どちらかと言うと、心理的な要素が中心に書かれており、いわゆる"手法"みたいな話はあまりない。
個人的には、経営の組織論やマネジメント論で言われていることを、具体的な例をあげて解説している本のように感じた。
同じくオライリーから出版されているBeing Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略も読んだ。
「Team Geek」と「Being Geek」は両方ともギークを対象としているが、視点が違う。
「Team Geek」がチームから見てギークな人(は|を)どうマネジメントするかということを書いているのに対して、「Being Geek」はギークな個人から見たときにギークであり続けるための振る舞い方を描いている。
もちろん、そこにはかぶる部分もあって、例えばマネージャーになったときのことは、チームをマネジメントするという点で共通している。もちろんチーム全体と個人の視点という違いがあるため、どちらかと言うと「Being Geek」のほうが具体的な行動について描かれることが多い。
逆に、異動や転職といった事例になると、「Being Geek」のみの書かれることとなる。
「Being Geek」は読んでみると、仕事を進める上で参考になることが多い。
例えば、デモするときやプレゼンテーションをするときに、相手の反応の特性を「何も言わない人」「積極的な人」「仕切り屋」という3つのタイプに分けており、それぞれにどういう順序で話すとうまくいくかという経験則みたいなことが書かれている。
こういった話は、仕事を進める上では、知っておくと、そういう状況に陥ったときに対処しやすそうではある。