MIND HACKSを読んだ
Mind Hacks ―実験で知る脳と心のシステムという本を読みました。
確か昔、大学のゼミの輪読で読んだ記憶があるけど、全部は読んだことがなかったので再読しました。
脳と心の仕組みや動き方、反応などについて100項目も書いてあるのでなかなか読み応えのある本です。
各項目の最初に自身で実験できるように図や動画へのURLがある構成になっていて、身をもって体感できる作りになっています。 その後に解説がくるため非常に読みやすく頭に入りやすい本でした。
個人的に印象に残っている節
3つ挙げると以下のものです。
- ランダムなパターンから意味を読み取る
- 独り言
- 因果関係の認知
ランダムなパターンから意味を読み取る
事前に被験者には「○○」という曲がノイズの途中で流れますよと告知しておき、実際にはホワイトノイズしか入ってない音を聴かせる。 そうすると、被験者のうち1/3ほどが実際にその曲が聞こえたと言うとのこと。
曲が聞こえたという人は、様々な情報が溢れかえっている中で意味ある情報を取り出す能力に優れているとも言えるし、超常現象などを信じやすいという傾向もあるみたいです。
独り言
4枚のカーテンで周囲を囲い、1枚だけ色違いのカーテンにする。そうするとどこか2点の角を見れば、ある角を特定することができるようになる。
この状態で被験者を回転させて、その角がどこかわからなくしたあと、その角を推論させる。 その際に、言語で考える能力を奪うために、スピーカーから聞こえる新聞記事の朗読を聞いて、その聞いたことをリピートするように指示する。
言語で考えられなくなった被験者の正答率は50%近くまで低下してしまうとのこと。
難しい推論などを行うときは、言葉にしたほうが効率が良い。
因果関係の認知
我々が因果関係を認知するには「2つの出来事が短時間に連続しておきる」「2つの物の間の見かけ上の関係が一貫している」ことが必要。
ビリヤードのような球同士のぶつかりで、他方の球がどの程度の時間までなら遅れて動き出しても、その2つの球はぶつかるという因果関係をもっていると認識できるのか。
実験で確かめるとその時間は大体140ミリ秒程度までとのこと。 ただその時間は、起こっている出来事自体にも左右され、他の実験では2秒以内という結果も出ている。
因果関係を感じるには短時間に連続して物事が起きればいいが、逆に短時間に連続して物事が起きると、偶然であってもそこに因果関係を感じてしまうということでもある。
まとめ
心理学や脳神経学周りの知識は、直接業務に活かすというのは難しいかもしれないですが、知っているとUIなどで罠にはまったりしなくなりそうです。
また人間が陥りやすい部分や、逆にそれを利用して錯覚させるなど、一種のライフハック的なことにも役立ちそうだと思いました。