『いつも「時間がない」あなたに - 欠乏の行動経済学』を読んだ

いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (早川書房)

いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (早川書房)

この本は、時間や金銭の不足が人間の処理能力にどれほど影響を与えるかを、実験から明らかにしている本です。

この本で扱われている実験で面白い点は、普段から時間やお金がない状態の人ではなく、その場で擬似的にお金や時間がない状態にしても、 人の処理能力が下がるという結果になっていることです。

普段の欠乏状態が、間接的な要因(例えば教育など)に影響して処理能力を下げているのではなく、欠乏状態に陥ること自体が処理能力に影響を与えていることを示しているのです。

その影響は非常に大きく本の中では

私たちの効果はIQ十三ポイントと十四ポイントのあいだに相当するものだった。最も一般的に使われているIQの分類で、十三ポイントちがうと知能が「平均」段階から「優秀」とされる段階に移る可能性がある。

と述べられています。

欠乏状態に陥っている人はその人自身にスキルが足りないと言われることが多く、そうであるなら対処は難しいことが多いと言えます。 しかしながら、欠乏自体が処理能力を下げるということは

個人的な資質というよりむしろ、欠乏そのものによってもたらされる環境条件の結果であり、たいてい対処できる状況の結果である。

ということになり、その負のスパイラル(欠乏が処理能力を下げ、さらに欠乏状態になり・・・)を抜けられる可能性があります。

この本を読んで、自分がそういう状態になったときは、現状の欠乏の原因となっているものを取り除くことから始めて、同じ欠乏状態にならないよう、うまく仕組みを作っていくことが重要であると感じました。

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