「超ヤバい経済学」を読んだ

前回、ヤバい統計学を読んだので、今度は、ヤバい経済学の続編となる超ヤバい経済学を読みました。

 
超ヤバい経済学は、ヤバい経済学と比べると話題が、より一般的なものになっています。
前作では、相撲の話や学力テストなど、比較的小さめの話題が中心でしたが、今作では売春やテロ、温暖化など社会的に大きな話題が中心になっています。
 
話の進み方は前作と同様に、章や小節のタイトルで示される話題をデータなどから、なぜそう言えるのかをだんだん明らかにしていくという感じのものです。
 
 
個人的に印象に残っているのは、テロを行いそうな人を銀行口座の取引内容から特定していくという2章の話題。
 
初期の入金額が~~円で、金曜日に取引しないとか、そういう条件で絞っていくと、最終的には数十人まで絞れるというお話。
 
決定的な絞り込み要素はセキュリティ的に問題があるので公開はされていないですが・・・
 
 
地球温暖化を一時的にしのぐことができる安上がりな解決策を火山活動のデータから示していく5章も面白い。
 
大規模な火山の噴火があった年は気温が明らかに下がったというデータから、人工的にそれと同じ状態にしてあげれば一時的に気温を下げるのはできるのではという話。
 
 
経済学的な話では、実験経済学の分野で行われている独裁者ゲームの変形版の話も興味深い。
独裁者ゲームはプレイヤーがもらったお金を、全部自分のものにする、相手に半分あげる、相手に1割だけあげるという選択肢のうちどれを選ぶかをみる実験。
 
この選択肢だと75%のプレイヤーは相手に半分あげるということが知られているんだけど、相手からお金を奪うという選択肢を加えると45%は何もあげず、20%はお金を巻き上げたという。
 
しかし、その選択肢の時にさらにお金は各自がアルバイトで稼ぐという設定にするだけで、相手に渡すお金も奪うお金も減るという。
 
 
実験経済学の観察者の問題を取り扱っているのも面白い。
実験を観察している人がいることで、人は人に良く見られるであろう行動をするようになる。
つまり実験で観察者がいるだけで人に親切にしたり、泥棒のようなことをする人は減るということだ。
これは社会科学で実験をする上では中々解決が難しい問題・・・
 
 
最後に書いてあったサルに貨幣の使い方を教えてるとどうなるかという話はとても興味深かった。
 
人間は同じ金額得することよりも、同じ金額損する方を避ける傾向があることは知られている。サルに貨幣の使い方を教えたあと、そういった実験を行うと人間と同じく損失が出る方を回避するという傾向がみられるそうだ。
 
たしかに損失は場合によっては命を危険にさらすことになりかねないため、生き物としては合理的そうではある。
 
 
と、結構、話題が豊富で面白かったのでおすすめな本。